深夜、試験勉強していたところで小腹が空いたので先日スーパーで偶然見つけた冷凍肉まんを温めて食べることにした。夢中になって肉まんを食べていた光景をルームメートに目撃されて、
「それどこで手に入れたの?」と訊かれた。冗談で「天から降りてきたんだ」と返事したら、
突然昔の不吉な思い出が頭ん中に浮かんでしまった…More...

あごが痛い、その一
「天から降りてきたショートケーキ」
小1の頃、ある土曜の午後。下校して家に帰って来てみると、珍しくソファーの上で寝ているオヤジがいた。その時のオヤジはソウルの某大学で解剖学の教授を務めていて、週に何回かしか会わない息子に印象を残したかったんだろう。

オヤジは、ソファの上で寝そべって何食わぬ顔で美味しそうなショートケーキを一人で食べていた。もはやオヤジの「美味しいものは絶対に分けてくれない」性に気づいた僕は、見なかったふりをして自分の部屋に入ろうとした。が、オヤジの意外な一言に足を止めた。

「このショートケーキ、めっちゃ美味いわ」
「そう? どこで手に入れたの?」
「ここで寝ていて口をあけたまま待ってたら降ってきたんだ」
「ほんとー??降りて来なかったらどうする?」
「そりゃ石の上で3年じゃない?」

と言いきって寝室に身を移したオヤジの後姿を確認して、さっそく行動開始モードに突入した。
最初はヨダレが口のそばから流れ出てたこととか、ソファの寝心地の悪さとかを気にしていたが、オヤジの言葉通りに石の上で3年間待つ覚悟で我慢した。でも子供は子供であるもの。ちょうど30分が過ぎたところで目がどんどん重くなり、いつの間にか俺は甘いショートケーキの夢をみていた。起きた時にはやっぱりショートケーキは降りてこなかった。
騙されたことに悔しいまま俺はオヤジに文句言おうと寝室に向かえようとした瞬間、口辺に異変を感じ始めた。

「あれ、口が閉まらないな」

顎のぬけた俺はオヤジが働いてる病院にそのままかつぎこまれた。